ルックバック【構造分析】

ルックバック(2021; 藤本タツキ) ※ネタバレあり 好きな漫画だけれど、内容面で感想を書くのが非常に難しい。「振り返る」「背中を見る」というモチーフをきちんと追い切れていない感じがある。なのでこの記事では構造分析をメインにしたい。 【天才と秀才…

具体的描写前の視点定義【描写】

三人称をとるような描写をする場合、描写がどのレンズを通したものなのか(すなわち、客観的な語り手による描写なのか、主人公の見ている光景なのか)曖昧になりがちだ。それが三人称の利点でもある。 ただ最近思うのは、このレンズをうまく調整するだけで、…

狭小邸宅【感想】

狭小邸宅(2013; 新庄 耕) ※ネタバレあり 不動産会社に勤める営業マンを通して、上手く人間のあり様を描いていると感じた。 「きちんと考えもせずに生きているくせ、何となく自分が特別だと思っている人間」という指摘がぶっ刺さる人は、たくさんいるんじゃ…

よく使う略称・用語一覧

テキトーな略称や独自用語をよく使うのでここにあらかじめまとめておく。 BS2 ブレイク・スナイダー(BS)のビート・シート(BS)。 『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』(フィルムアート社)で紹介されているストーリー構成の型で、三幕構成を成長譚…

キングスマン【感想】

キングスマン(2014; 原題:Kingsman: The Secret Service) ※ネタバレあり 「これが俺の好きなスパイ映画だ!」「俺のサイコーのアクションを見よ!」という気概を感じる映画で大変面白かった。埋め込みチップによる最悪の花火のシーンを今後忘れることはな…

機能ベースの設定作り──「場」を作る意識

「場」を作る人間というのにずっと憧れていたし、そうあろうとしてきた。 ここでいう「場」とは、単なる物理的な空間ではない。人に特定の行動を促す環境を指す。アフォーダンスと言い換えることもできるかもしれない。 例えば、空き地はそれだけでは「場」…

部屋にものを増やせ

筆が進まないとき、大抵はそのシーンの舞台であったり、登場人物の人間性なんかをきちんと設定できていない、あるいはイメージ出来ていないことが多かったりする。 そういうときはきちんと舞台についての情報を集めたり、登場人物になりきって鏡の前で演じて…

危機発生前の仕込み【PSs】

概要 課題の発生 事前の仕込み アイテムの用意・子細工など 読者にとってその意図は不明(後述) 具体的危機の発生 追い詰められる 仕込みを利用して解決 「危険発生前の仕込み」は、対処すべき具体的な危険が生じる前に、キャラクターがその解決策を講じて…